映画についての雑感

最新作から、懐かしい80, 90, 00年代の映画の思い出や、その他、海外アニメや小説、ゲーム、音楽などの雑多で様々な芸術作品について

2020年に観て良かった映画 ベスト5

大変な年になった2020年、今年は劇場で映画を見る機会は殆どなくなってしまいました。実際多くの公開予定作品が延期されてしまいましたし、”ムーラン”などのディズニー作品は配信でのリリースという、映画業界の行く末を左右するような転換点を迎えた年でもありましたね。僕個人としても今年は劇場で映画を見なかった分、NetflixAmazonプライムなどの配信サービスを利用する機会が確実に増えた感触があります。


今年を振り返ると、1月早々からコロナウィルスを巡る世界情勢が怪しくなってきて、2,3月になるともう日本に住む一個人としても無視できない程の影響になり、その後は公私共に「おうち時間」状態に置かれていましたね! 外に出なくなった結果、ここ数年あまり享受してこなかったインドアエンターテイメント、文化的活動に従事することが多くなり、ある意味ではこれまでと異なることをすることができて良かった年でもあります。


さてでは今年の映画、でありますが、公開作自体が少なかったということや、そもそも僕自身は世間一般の水準で言えば映画好きだと思いますが、劇場で見る新作も多くても年間12本、月換算で1本くらいかな、っていう趣味レベルの輩なので、映画ブロガーの方々の情熱や行動力には到底及ばないと思います。数えたら旧作含めて今年は40本強くらい見てました。ですので、「僕が今年観た映画」という括りでの緩いレコメンドとさせて頂きます。なのでやたらと懐かしい映画も入っています(むしろほぼ旧作です)が、お許し下さい。選んだ映画を見ると、コメディ映画だったりコメディ要素の強い映画でした。ちょっと偏っていますが、今の世相を考えると、笑いというのも悪くないんじゃないでしょうか

<目次>

マリッジストーリー

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<作品紹介>

離婚プロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿を、アカデミー賞候補監督ノア・バームバックが、リアルで辛辣ながら思いやりあふれる視点で描く

2019 / 136分 / アメリ
原題:Marriage Story

Netflix公式サイト”より

https://www.netflix.com/jp/title/80223779


<感想>
Netflixオリジナル作品、いきなり20年の映画じゃないです。今年のアカデミー賞6部門にノミネート、助演女優賞を受賞。スカーレット・ヨハンソンアダム・ドライバーが離婚協議中の夫婦を軽妙に演じています。物語は夫婦の馴れ初めやこれまでの結婚生活を回想しつつ、現在進行形の離婚協議も描写していくものになっているのですが、コメディタッチで暗さはなく、2人のやりとりや生き方を繊細なタッチで描写する作品です。その部分だけで面白い映画だと感じさせるオープニングシーンが印象的でした。スカーレット・ヨハンソンって美形だけど背が低いんで、そこが一般人っぽくてこういう役がすごい似合います。アダム・ドライバーは言わずもがな、子供との距離感の演じ方など、ナチュラルな雰囲気が最高です。音楽がトイ・ストーリーなどピクサー作品を手がけているランディ・ニューマンで、これがまた作品に適度な哀愁を漂わせる良い味出していました。




キングオブコメディ

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<作品紹介>

『キング・オブ・コメディ』(原題:The King of Comedy)は、1982年に製作されたアメリカ映画。
コメディアンとして有名になりたいと考えている34歳のルパート・パプキンは、有名コメディアンのジェリー・ラングフォードを熱狂的ファンであるマーシャから救い出し、強引に自分を売り込む。ジェリーはルパートに「今度事務所に自演テープを持って来い」と伝える。•••

1983 / 100分 / アメリ
原題:The King of Comedy

Wikipedia”より

キング・オブ・コメディ - Wikipedia


<感想>
マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の名作。昨年話題になった”ジョーカー”にインスパイアを与えた作品ということで、Amazonプライムに有ったので初めて見てみました。正にスコセッシ監督の映画というか、ディカプリオ(大ファンです!)とのタッグで撮ってる近作の元祖的な作品ですね。主人公が笑えて、哀れで、怖くて、そして意味分からないシュールな展開。っていう風に書くとしょうもない映画みたいですが、全然そんなことない人間らしい人間の悲哀をコメディタッチに描いた作品です。オチも含めてとても良かった。ヒロイン(?)のコメディ女優の方の演技がすごくて、終盤の場面では迫力に持って行かれました。

The King of Comedy (字幕版)



ロスト・イン・トランスレーション

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<作品紹介>

ロスト・イン・トランスレーション』(Lost in Translation)は、2003年のアメリカ合衆国・日本のロマンティック・コメディ映画。監督・脚本はソフィア・コッポラ、出演はビル・マーレイスカーレット・ヨハンソンなど。 東京を舞台に、倦怠期のハリウッド・スターと、孤独な若いアメリカ人妻の淡い出会いと別れを描く。
2003年最大のダークホース映画といわれ、ソフィア・コッポラは一躍アメリカで最も注目される新鋭若手監督になった。400万ドルと少なめな予算と27日間で撮影されたこの作品は4400万ドルの米興収成功をおさめ、2003年の多くの米映画賞を総なめにした。2004年のアカデミー賞では、主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、オリジナル脚本賞)にノミネートされ、脚本賞を受賞。

2003 / 102分 / アメリ
原題:Lost in Translation

Wikipedia”より

ロスト・イン・トランスレーション - Wikipedia


<感想>
懐かしい00年代のソフィア・コッポラ監督代表作。00年代初頭の東京を舞台に展開されるラブストーリー? というか旅行者同士の緩い交流というか。ビル・マーレイスカーレット・ヨハンソン主演。この2人の関係はいわゆる不倫関係なのでそんなに共感できる物じゃないんですが、そういう嫌らしさがなく、年も離れているし友達みたいな感じなので、自然に見られます。それよりも何よりこの映画は、あの時代の東京をゲリラ撮影で描いたかのようなリアルな雰囲気が堪らない。そして「余所者」であるアメリカ人から見た東京なので、あの時代の雑多で小ダサい感じ(ゲーセンとかカラオケとか)も含めて、冷めた目で表現されるので余計にリアルなんです。そしてソフィア・コッポラからのツッコミというべきコメディシーンが一々面白い。(ゲーセンで音ゲーをやってる若者に対するスカーレット・ヨハンソンの視線や、病院の場面、しゃぶしゃぶの場面などなど)逆に、あの時代の日本を知らない若い世代がこの映画を見たらどう思うのかちょっと気になりました。



マンク

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<作品紹介>

ソーシャル・ネットワーク」「ゴーン・ガール」の鬼才デビッド・フィンチャーがメガホンをとり、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」のオスカー俳優ゲイリー・オールドマンが、不朽の名作「市民ケーン」の脚本家ハーマン・J・マンキウィッツを演じたNetflixオリジナル映画。フィンチャー監督の父ジャック・フィンチャーの遺稿を映画化した。1930年代のハリウッド。脚本家マンクはアルコール依存症に苦しみながら、新たな脚本「市民ケーン」の仕上げに追われていた。同作へのオマージュも散りばめつつ、機知と風刺に富んだマンクの視点から、名作誕生の壮絶な舞台裏と、ハリウッド黄金期の光と影を描き出す。「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド、「白雪姫と鏡の女王」のリリー・コリンズ、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のチャールズ・ダンスら豪華キャストが個性豊かな登場人物たちを演じる。Netflixで2020年12月4日から配信。一部の映画館で11月20日から劇場公開。

2020年製作/132分/G/アメリ
原題:Mank

Netflix公式サイト”より

マンク


<感想>
デビッド・フィンチャー監督久々の映画。Netflixオリジナル作品。ハリウッド映画の金字塔”市民ケーン”の制作にまつわる物語で、脚本家のマンキウィッツを主人公に据え、ゲイリー・オールドマンが演じている。”ゴーン・ガール”や”ドラゴンタトゥーの女”といったフィンチャー近作とは全く趣向の異なる作品で、それらに比べるとやや小品かな、っていう感じではあります。そして”市民ケーン”の視聴は必須だし、その製作にまつわる話もある程度は知識として持っておかないと登場人物の役割を理解できなさそうな部分は、とてもハードルが高い映画。ただ、それらの知識を充填した視聴者に対しては、いつものフィンチャーと異なり本作は嫌味もなく真っ直ぐに伝えたいテーマをぶつけてくる。特に象徴的だと思ったのはマンキウィッツの人格に対するある登場人物の評価、これまでの彼の映画ではこういう場面は入らなかった。絵作りも、完璧をモットーとするフィンチャーらしく美しいモノクロ映画で、とても興味深い映画でした。

ダージリン急行

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<作品紹介>

父の死をきっかけに心が離れてしまった3兄弟が、インドの秘境を列車で旅する家族の愛と絆の物語。
本編上映の前にプロローグ的作品として、短編映画『ホテル・シュヴァリエ』(Hotel Chevalier)も上映された。

2007年 / 91分 / アメリ
原題:The Darjeeling Limited
Wikipedia”より

ダージリン急行 - Wikipedia


<感想>
ウェス・アンダーソン監督の2007年の映画です。全然見た目の似ていない3兄弟がインドの秘境を旅するロードムービーです。この監督の他の作品同様、話に特に意味はなく、キチッとした絵作り、個性的なキャストと妙な間、シュールだけどセンスのいい音楽で笑わせるタイプで、ワンパターンと言えばワンパターンです。でも整っていて美しい絵の連続は見ていて飽きないから不思議。インドの雰囲気もこの監督が演出すると全然ゴチャゴチャしていなくて、良いか悪いか分からないけど全然インドっぽくないです 笑。他の映画 “天才マックスの世界 (1998)”や”グランド・ブダペスト・ホテル (2014)”が好きならきっと満足すると思います。来年公開予定の”The French Dispatch”も楽しみです。




以上です、年末年始に観る映画の参考になれば幸いです!
では、良いお年を!


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