映画についての雑感

最新作から、懐かしい80, 90, 00年代の映画の思い出や、その他、海外アニメや小説、ゲーム、音楽などの雑多で様々な芸術作品について

ヴィクトル・ユゴーのエスメラルダ、コゼットと”アデルの恋の物語 (1975)”

アデルの恋の物語 (原題 : L'Histoire d'Adèle H.)”という映画を知っていますか? フランス恋愛映画界の巨匠 フランソワ・トリュフォー監督 (1932-1984) の作品で、『レ・ミゼラブル』『ノートルダム・ド・パリ』などで知られる19世紀のフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの娘、アデル・ユゴーの狂騒的な半生を描いた伝記映画です。おそらくこの映画はトリュフォー監督やアデルを演じたイザベル・アジャーニと共に語られることが多いのだと思いますが、趣向を変えてヴィクトル・ユゴーの描いた文学の世界との相似性みたいなものを書いてみようと思います。ユゴーの小説は結末までのネタバレなし(?)、映画”アデルの恋の物語”については結末までのネタバレありです。映画を観てみようと思ってる方はこの下のあらすじまでにしておいてくださいね!

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川上未映子『あこがれ』(新潮社文庫) 感想

元々、川上未映子さんの小説は『乳と卵』しか読んだことなかったんですが、音読したくなるような流麗な文章と、曖昧だけど的を射てる情感描写が結構好きで印象に残ってました。先日、全くの偶然から同著者の『マリーの愛の証明』をAmazonのPrime会員無料で読んで非常に面白かったので、彼女の小説をもっと読みたくなり、本書を買ってみました。


この記事では本書の面白さと感想を、ネタバレは無しで軽ーく書いておこうと思います。読書の参考になれば幸いです。

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