映画についての雑感

最新作から、懐かしい80, 90, 00年代の映画の思い出や、その他、海外アニメや小説、ゲーム、音楽などの雑多で様々な芸術作品について

シン・エヴァンゲリオン劇場版 : 庵野監督が本当に描きたかったこととは?

度重なる延期の末に遂に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を先週の土曜日に見てきました。見終わって暫く経ちましたが、まだ僕の中ではこの映画は一体なんだったのか、庵野秀明監督が何を伝えたいのか良く分かりません。分からないなりに、思うところをこのブログの趣旨に則り映画として見た上での感想という感じで書いてみました。話題だから見に行ったくらいの熱量の人〜久々にエヴァ見たよ、って人を対象に書いてます。僕自身もQを映画館で見て以来エヴァに触れてない程度のライトなファンです。以下、作品紹介の後は旧作含めて遠慮なくネタバレしていくので、観る予定がある方はご注意くださいね!

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©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会 ©カラー
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フォロウィング : クリストファーノーラン監督の長編デビュー作

先日、かなり久々にTSUTAYAでレンタルDVDコーナーをdigっていたら、尊敬するクリストファーノーラン監督の長篇デビュー作であるインディーズ映画、フォロウィングが置いてあったので借りてしまいました。ノーランの作品で唯一の観たことない作品でございます。昨年の “テネット” が個人的にはハズレであったので、ちょっと冷め気味のノーラン熱ですが、それゆえに冷静に鑑賞することができました。観たことない方向けにネタバレなしで感想を述べさせてもらいます。ノーラン監督ファンや映画ファンにはオススメです

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↓TENETのレビューはこちら
numbom2020.hatenablog.com

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ソウルフル・ワールド レビュー : 人生の意味を見つめ直す

2021年最初に観た映画はディズニー・ピクサー合作 ソウルフル・ワールドでした。本来は劇場公開される予定でしたが、Disney+での配信での公開になってしまいました。同じような形で配信のみになった”ムーラン (2020)” と異なり、こちらは追加費用なしで見られます。

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© 2021 Disney and its related entities

物語の舞台はアフリカ系アメリカ人で、ジャズピアニストを夢見る非常勤講師である主人公 ジョーが生きる現世と、生まれる前の魂たちが暮らす生前・死後の世界、それぞれが描かれます。ファンタジックでありながら無機的な生前の世界を表現した画期的なアニメーションは、脚本・監督を担当したピート・ドクターの監督作 インサイド・ヘッド (2015)”を彷彿とさせます。”インサイド・ヘッド”同様に科学的考証に基づいた描写も魅力ですが、今作はそれ以上に、静かに人生の意味を見つめ直すハートフルな作品でした。子供から大人まで楽しめる傑作、むしろ、一見して気づきにくい本作が扱う重大なテーマは、大人向けと言えるかもしれません。

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クイーンズ・ギャンビット : 破滅的な天才物語の新しい形

天才的チェスプレーヤーであるベス・ハーモンの半生を描くNetflixオリジナルドラマ。原作はウォルター・デヴィスによる”The Queen’s Gambit (1983, ウォルター・テヴィス/著 、小澤身和子/訳, 新潮社)”。配信開始と同時に世界各国のNetflixで上位に入り続け、世界63カ国でランキング1位を記録した大ヒット作品。日本でもここ最近デイリーランキングの上位に入っており、人気が出てきています。

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クイーンズ・ギャンビット プロモーション用アートワーク
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2020年に観て良かった映画 ベスト5

大変な年になった2020年、今年は劇場で映画を見る機会は殆どなくなってしまいました。実際多くの公開予定作品が延期されてしまいましたし、”ムーラン”などのディズニー作品は配信でのリリースという、映画業界の行く末を左右するような転換点を迎えた年でもありましたね。僕個人としても今年は劇場で映画を見なかった分、NetflixAmazonプライムなどの配信サービスを利用する機会が確実に増えた感触があります。

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