映画についての雑感

最新作から、懐かしい80, 90, 00年代の映画の思い出や、その他、海外アニメや小説、ゲーム、音楽などの雑多で様々な芸術作品について

フォロウィング : クリストファーノーラン監督の長編デビュー作

先日、かなり久々にTSUTAYAでレンタルDVDコーナーをdigっていたら、尊敬するクリストファーノーラン監督の長篇デビュー作であるインディーズ映画、フォロウィングが置いてあったので借りてしまいました。ノーランの作品で唯一の観たことない作品でございます。昨年の “テネット” が個人的にはハズレであったので、ちょっと冷め気味のノーラン熱ですが、それゆえに冷静に鑑賞することができました。観たことない方向けにネタバレなしで感想を述べさせてもらいます。ノーラン監督ファンや映画ファンにはオススメです

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↓TENETのレビューはこちら
numbom2020.hatenablog.com

あらすじ

作家を目指す男・ビルは、アイデア探しのために街で目に付いた人間を尾行・観察するという習慣を持っていた。だがあるとき、うっかり尾行相手のコッブに気づかれてしまう。
Wikipedia”フォロウィング”より

ネタバレなし感想

一本の映画としてみて、荒削りではあるけれどノーランが志しただろうフィルムノワールの雰囲気は出ていて、時間も70分とコンパクトなのでまぁまぁ面白い。複雑で哲学的な興味をそそる脚本の面白さ。演出面でも劇中の登場人物たちが空き巣や尾行を通じて「他人の生活を覗く」ように、一歩離れた手持ちカメラの視点が、そんな彼らを更に覗き見するオーディエンスの視点になっているという入れ子構造にも感じられ、少し気味悪い雰囲気がよく出てます。こういった部分は後に大成するノーラン監督の作風として、このミニマムな自主制作映画の時点で滲み出ているのに驚きを感じますね。


また、同じく欠点についても荒削りであるが故に目に付くことに気付かされました。小道具がちょっと不自然で、リアルな雰囲気の中で恐らく監督の意図していない違和感を与えてしまってます。そう言えば後のプレステージダークナイトライジング“”テネット“でも作中で重要な装置や小道具のデザインが、なんだか拍子抜けするフィクションっぽさだしちゃってるよなー、って思い出しちゃいました。


ただこのフォロウィングという作品は、前述の通り、完全に自主制作の作品であるということを考えると、70分という劇場サイズの上映時間を含めて、相当の自信がないと完成させることは難しいだろうと思われます。製作費はわずか6000$(約65万円)! 週末ごとに仲間を集めて撮影し、ノーラン自身が脚本、監督、撮影、編集を行い、一年かけて完成させたそうです。かなり気合いの入った挑戦だったんだろうなぁと感じます。自身の脚本と演出構想に確固たる自信があり、それを疑うことなく黙々と突き進んでいくのはかなり骨の折れることだと思います。作品そのものもさることながら、僕はやっぱりこの監督の心意気に感心してしまいますよ。この心意気というか、信念というかは、彼の様々な作品の主人公たちも常々口にしてますよね。

ということで、映画作りに興味のある人やノーラン監督のファン、研究家の方にはオススメできる映画でした。




ノーラン監督の半生を作品とともに振り返る豪華本です。幼少期からフォロウィングを制作するまでの出来事なども詳しく書いてありますよ。まだ読んでる途中ですが、ノーラン監督は理性的でインテリジェントな人というより、少しフワフワした危うい人という感じで驚いています(笑)

また、ノーラン監督が意外にもタランティーノ"レザボア・ドッグス""パルプフィクション"に強く影響されて本作”フォロウィング”を構想したり、子供時代にスターウォーズ大好きでカメラを弄り始めたり、リドリー・スコット"エイリアン""ブレードランナー"見て映画監督を志したり、めちゃくちゃ真面目でアカデミックな方だと思ってたんですが、ミーハーで普通の青年としての部分が結構あるところに驚きました。


ノーランのデビュー前の自主制作短編

"Doodlebug" - A Short Film By Christopher Nolan

こちらは更にインディーズ感溢れる奇怪な内容です! フォロウィングと合わせてどうぞ




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